特集1

神棚を通して知る
実はこの神棚、現在当社のショールーム内にあります。「建道」設立から3年。ひとつの節目として神棚を職人さんに依頼しました。改めて、職人の技やそれにかける想いを実感しています。今回は商品としてではなく神棚という作品に込められた「想い」の部分にあえてスポットを当ててみたいと思います。

神棚のできるまで
実は、神棚に図面はありません。縦横の大きさとイメージを伝えて、細かいところは職人さんにお任せします。なぜなら…木というものはクセがあるからです。木目の美しさやそり具合など、木材の持っている性質を十分に活かすということは、図面通りに造る機械ではできない「技」なのです。また、神棚は高い位置に取り付けるので、見上げた時に一番美しく見えるように考えて造るのです。職人の勘や経験に任せるのが一番ですね。
材木に関して
材木は、新築当初より数十年経った頃が一番良いとされています。乾燥材といっても完全に乾いているわけではないので、気候の変化で反りや伸縮があり、水分で柔らかさもあり、本来の強度は出ません。徐々に水分がなくなり、材も締まると同時に硬くなり強度も増していきます。反りや伸縮も少なくなります。ある材木店の社長は、『50年木として立っていたなら、材にしてから50年後が1番良い状態になる』と言っています。また、私は使用する木材はこれから使う場所の近くで育ったものがいいと思います。環境や気候が近いので、その木の本来の性質を活かすことができるからです。







職人に任せる
この神棚は商品ではないので、職人さんにお任せできる部分が多くありました。屋根垂木の幅や格子の数など全てお任せしています。写真でわかる通り正に職人技、非常に美しいものです。これはどの職人さんにも言えることですが、大筋のイメージや用途、こちらの希望を伝えて、後は思い切ってお任せした方がいいものができます。素人考えでいろいろ言ったところで本物のプロには敵いません。木材のよさを存分に引き出せるように思い切ってお任せしてしまった方がいいのです。
手造りについて
正直、手造りの精度は機械(工場生産)に劣ります。ただ、ある有名な宮大工さんは、『材は寸法に忠実に組むのではなく、材のクセを見て組む』と言っており、仕上がりも、柱のたっている位置は不揃いではあるが、それが、一つになったときの美しさはなんとも言えない、とありました。また、前回にもありましたが、職人さんは実際に材をみて、この材はここに、あの材はここに、と材の特徴を充分活かすことができます。寸法を決めてしまうと、寸法が優先で木目も何も関係なく、寸法が足りているものを使う、或は、揃えるしかなくなってしまいます。


不完全なものを造る
東照宮の陽名門の柱は、1本だけ柄を逆さにすることで不完全の状態を意味しています。東照宮を満月になると欠けていき、満月以外は満月に近づこうと進歩を続ける月に例えたものです。進歩し続けることを願い、東照宮を不完全のまま納めたそうです。例えば、現在の工場生産品は完成品(満月)です。限りなく狂いがなく、季節にも左右されにくい完成品は、納めた瞬間が1番良い時です。しかし、この神棚は不完全なので、今後、長い年月をかけ、落ち着きや、変色による深みなどが、でてくると思っています。
私の想い
もし、材木店の社長が言っていることが本当なら、一番良い時期は200年後となります。建道を立上げ、3年経ちましたが、3年という節目は意味のある時期と思います。私は、神棚の一番良い時期を見ることはできませんが、何代も続き、誰かが見ることができように勤めたいと思います。また、神棚と一緒に自分自身も進歩していけるように想いを込めて、ショールーム内に展示することにしました。ぜひ、お越しの際はご覧になってみて下さい。








